HOME
»
fujitter
»
カテゴリー:文化財
»
旧閑谷学校

fujitter

閑谷神社本殿保存修理工事(続き③)

前回の続きです。

屋根の工事も完了し、素屋根、外部足場などの解体です。


足場解体後、土壌処理(シロアリ対策)の状況です。
床下の土壌処理、床組の木部処理も施工しています。


修理銘板を取付けました。
材質は銅製で内容は工事名、工期、事業金額、工事関係者名、工事内容などです。


全ての工事が完了しました。工事期間19ヵ月でした。


 

閑谷神社本殿保存修理工事(続き②)

前回の続きです。
普通の本葺きならば平瓦葺き→丸瓦葺きなのですが、
今回は丸瓦の下地が木材なので、平瓦と同時に丸瓦下地を施工します。




掛唐草、掛巴等の納まりも決まって、下地の施工です。
瓦座は一部腐敗していので、取替を行いました。


平瓦葺き、丸瓦下地施工完了です。
瓦も現代の瓦と違って1枚1枚形が違うので配置など色々と苦労しました。


軒巴瓦取付です。玉縁を20㎝程度の銅釘で留めていきます。
下地の木部がが固くて、銅釘(柔らかい)が長いので、銅釘が曲がって入っていかない様に
十分注意して施工しました。


丸瓦葺きです。丸瓦も全て長さ、巾、色合いが違うので、配置決めは難易度高めでした。


箕甲廻りの施工です。掛唐草、掛巴、抱き丸瓦、面戸瓦など雨仕舞を考え、原寸を書きます。
今回工事は保存修理工事で基本計画は現状復旧ですが、納まりが悪いところは監理者と協議して
改善していきます。


鬼瓦、鳥衾取付です。


大棟の水板など取付です。乾式工法(箱棟)なので土を使いません。
着工前大棟がが腐っていたので、原寸を書いて漏水の原因を突き止めた結果
熨斗勾配ではないかという結論に至りました。
しかし、鬼瓦の大きさ、高さを変えれないので、大棟にルーフィングを巻きました。
何年持つだろうか……不安。


破風板廻りの漆喰塗りです。上の写真は下地となる木摺り(杉、柾目)を留め付けています。



砂漆喰塗り(中塗り)です。


漆喰塗りです。すっごい時間掛かります。


左官さん一人で3か月掛かりました。


南側(内側)土台がシロアリに食いつぶされています。直さなければ!


直しました。


避雷針の設置工事です。



2/8(土)現場一般公開の様子です。今回も県内外問わず多数の方が来られていました。
実施できてよかったです。


完成です。


完成です。


完成です。


あとは素屋根、外部足場解体のみ。
最後まで気を引き締めて頑張ります!!!

 

閑谷神社本殿保存修理工事(続き)

 前回の続きです。流し板取付状況です。
流し板と流し板の木端には合釘で留め付けしていたので現状復旧します。
流し板をスライドさせて取付していきます。


敷目板も復旧していきます。平瓦が腰掛ける場所です。



大棟を解体しました。・・・が、大変腐っています。
部材ごとに取替、繕いの計画をして復旧していきます。(乾式なので箱棟です)


大棟の組立です。側板(繕い済)から組立ていきます。
丸瓦の納まり、水板、熨斗勾配、鬼瓦の納まりなど原寸を作成、確認を行ってからの組立です。
現状復旧が基本ですが、納まりの悪い箇所などは監理者と協議して改善していきます。


天板は腐敗の度合いが大きかったので全取替しました。


隅棟も鬼瓦周辺が腐っていたので繕いを行いました。


大棟防腐塗装です。


屋根木部防腐塗装です。歴史的建造物が少しでも長持ちしますように。

8/24(土)に現場一般公開を行いました。


創建当初や工事の度に製作された瓦を時代別に並べて、岡山県職員の方が説明していました。
多数の方が来られていました。


矢切漆喰塗り搔き落としです。
長年の風雨にさらされて、割れたり、浮いたりしているカ所を取っています。


瓦着工前(南東から撮影)です。


瓦着工前(北東から撮影)です。


丸瓦の下地(平瓦引掛)加工です。大工曰く大変難易度が高い様です。
今回は全取替です。

丸瓦の下地(平瓦引掛)完成品です。


防腐塗装も行いました。


いよいよ瓦葺き着工です。軒唐草を取り付けいていきます。木部同様、銅釘での取付です。


平瓦を差し込みながら、順次取付けていきます。


また次回、工事の進捗状況を報告、公開させていただきます。
興味のある方は是非チェックしてみてください。

 

閑谷神社本殿保存修理工事

 今回は平成30年9月から弊社が施工している旧閑谷学校敷地内の閑谷神社本殿保存修理工事を
紹介したいと思います。
 
軒足場、素屋根、保存工作小屋組完了です。
  
瓦を解体する前の写真です。


 
鬼瓦解体です。各種瓦には元の場所に戻せるように色テープで番付を付けます。
閑谷神社本殿は珍しいことに棟の構造(下地)、瓦下地が乾式(土を使わない)です。

 
大棟瓦の解体が完了しました。下地は一部腐敗しています。
チョークで印をしているのは、使っていた釘穴をチェックしたものです。
この木材がいつの時代のものなのか、または建物自体の修理記録を整理していつの時代に
戻すのかを考える為の判断材料としてチェックしています。
和釘or洋釘、釘の打っている回数などは重要です。


 
 
丸瓦の下地(平瓦引掛)も木材を使用して乾式としています。
木材は楠を使っていました。防虫効果があるみたいです。
やはり腐っています。
この丸瓦下地が腐ってしまうと平瓦、丸瓦が上から下へズレてきて雨漏りの原因となったり、
瓦が地面に落ちてきたりして、観光客の方などに危険が生じます。

 
瓦解体完了です。

 
木部にも瓦と同様に番付(ベニヤ)をします。調査、実測の後、解体です。
写真右下から野地板(栗)、土居葺き(杉)、流し板(楠)、敷目板(楠)です。


 
 
小屋組が見えてきました。

 
今回工事の大きな目的の一つである南北化粧隅木の割れ(折れ)の修繕。
当初(解体前)は取替だったのですが、化粧隅木の上に乗っている桔木を上げて実際見てみると
化粧隅木の割れは酷くなく、関係者打合せの元、金物補強でOKでした。

 
桔木の防腐塗装を施工しました。

 
軒先布裏甲の繕い作業です。腐敗したカ所を繕っていきます。

 
野田木、野地板の復旧です。一部取替ですが、番付を見ながら元あった位置へ留め付けて
いきます。

 
いつ修理したか分かるように補足材(新材)には『平成三十年度修補』の焼印を押していきます。

 
瓦解体後、選別をして今回使えない瓦は補足瓦と入れ替えです。
補足瓦が完成です。寸法、形状など難しい事だらけだったのですが、
製作期間約6ヵ月程かけて製作して頂きました。
瓦の土の段取りから始まるのですから大変だったと思います。
製作者の方には感謝です。

 
土居葺きです。現在のルーフィング(防水紙)の代わりです。

 
土居葺き完了です。既存との取合いはうまく施工出来ました。

 
流し板の復旧作業です。留め付けは銅釘を使用しています。
銅は柔らかいので長い銅程、曲がりやすくて難易度高めです。

 

国指定史跡 閑谷学校

今日が今年最後のライトアップ
現場も順調に仮設工事も完了し、
閑谷学校 楷の木も今年はとても鮮やかに赤と黄色に紅葉しています。
下の画像の校門(鶴鳴門)の奥に現在進行中の現場 閑谷神社の現場の素屋根が見えています。

閑谷学校 昼と夜
今年のライトアップは今日(11日)までだそうです。
今年は楷の木の状態もよく。素晴らしい紅葉に観光にいらしたお客さん方も、
満足げな顔で、お帰りになります。

 

重要文化財旧閑谷学校聖廟中庭、東階・西階保存修理工事 完成

昨年度より、工事させて頂いていた、旧閑谷学校校門から真っすぐ奥に見える建物で、孔子様が祀られている、聖廟の手前にある中庭、東階・西階の保存修理工事が
完成いたしました。
中庭


     中庭内部            中庭背面

      東階             東階内部     

      西階              西階内部

備前近くへ御出での際は、お越しください。
 

 

旧閑谷学校/泮池



旧閑谷学校の泮池の崩れた石垣を調査する為に、池に生息しているコイやフナを安全な場所に保護し、大きな土のうで堰を作り水を抜く工事をさせていただきました。

藤原組の強みは、建築と土木の両方を専門にし、また直営で施工するところです。

土木部門は日々道路・河川・海岸・下水などを施工していますが、
建物を建てる時は、この土木部門が土地の造成・建物の基礎・外構等、責任を持って担当いたします。

<旧閑谷学校泮池>
中国上代の諸候の学校である頖宮(はんきゅう)の制に擬してつくられたものである。半円形の池がつくられるのが普通であるが、閑谷学校の場合は、幅七M、長さ八十Mを超える長方形である。石橋は国の重要文化財に指定されている。【旧閑谷学校公式HPより

 

 

旧閑谷学校聖廟校門(鶴鳴門)保存修理工事


みなさんこんにちは。岡山県瀬戸町の工務店、藤原組です。きびしい残暑が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

先月末まで一年間に渡り保存修理工事させていただいた『旧閑谷学校聖廟校門(鶴鳴門)』をご紹介いたします。

この門は、江戸時代に当地岡山のお殿さまが庶民の為に設けた学校『旧閑谷学校』にあります。学校では儒教を教育したので孔子を祀る聖廟が造営され、廟の正門としてこの建物は建てられたようです。

併せて学校の校門でもあるので、『旧閑谷学校聖廟校門(鶴鳴門)』という少し難しい名前をしています。

(鶴鳴門)とは何かといいますと、門扉を開け閉めするときの“キュイキュイキュイ”という音が、鶴の鳴き声に似てついた美称です。かくめいもん と読みます。

花頭窓を配した付属屋が両脇につくことで、中国の牌楼を思わせる中国風の姿をしています。

建築は江戸時代中期・総けやき造り・方一間・一重・切妻造・備前焼本瓦葺・左右付属屋付で、工法にも特異なものがあり、国の重要文化財に指定されています。